３．３　平安時代　

３.３.１　流造―伏見稲荷大社を例に

平安時代になると、神仏習合はますます進んでいた。そのために、日本人の神社信仰も変わっていた。まず、平安初期頃の人々が各々の土地の氏神を信仰していたが、中期頃になったと、地域を越えて、霊威がある神様を祀ることがますます主流になって始めた。そして、伊勢、稲荷、八幡のような有名な神社を勧請をすることが盛んになっていた。また、鎌倉幕府の時に、、幕府はもっと神と仏への守りを重視するために、幕府と神社の関係がますます深くになっているのである。

流造の神社建築は日本全国に、最も広く分布している建築であると言える。流造りの屋根は切妻であるが、平入りで、春日造とちがって、妻面が側面にあることである。また、屋根は庇のところまで延びていて、よく見れば、庇とまるで一体になっているのである。今までの神社と違うのは、屋根は萱と桧皮だけによって葺枯れていないが、銅板などの各種の材料で葺くものである。

伏見稲荷大社の本殿は五間社である。祭神五柱を祀るために、本殿は五つの一間社の社殿からなるものである。そして、「千本鳥居」と呼ばれる二列の鳥居もある。それに、驚くことには、稲荷山の境内で、約一万の鳥居がある