2.3「狐」3
3.三つの狐の共通点4
3.1作品が孤独な感じを表す4
3.2他者への愛を表現する5
3.3ほかの人に了解されたくて、認められたいという気持ちを示す6
4.南吉の経験から、狐の性格の生成を究める7
5.おわりに.10
参考文献.11
1.はじめに 児童文学はいつも語彙も文法も簡単であるが、よく考えてみれば、内容の意がいろいろ含まれている。故に、児童文学についての研究には、意義がある。去年、先生のおかげで、新美南吉の「手袋を買いに」を読んだことがある。子供の狐の天真や母さん狐のやさしさや、帽子屋さんの態度などに深い印象を残している。そこで、興を持っている。 そのために、作家としての新美南吉のことを気に入っている。 新美南吉の本名は新美正八(旧姓:渡辺)である。大正2年(1913 ) に愛知県半田市に生まれた。日本の有名な児童文学作家である。南吉は東京外国語学校時代から創作を開始し、詩や小説や童話を雑誌などに投稿してきたが、その多くは日記やノートに原稿のまま残され、社会的に注目されることはなかった。昭和十八年(1943)に結核により 29 歳の若さで亡くなったため、作品数は多くない。早世した戦前の児童作家であり、教師をしていて、友達のおかげで、遺作が童話全集や新美南吉集として出版されてから、没後に一躍脚光を浴びて、人気が高まった。南吉の作品について言えば、古田足日は、南吉のストーリー性は日本民話に近いような展開を示しているのが特長だ1と評価しており、佐々木守は、近代童話方法の萌芽を見せた2と評価した。 「南吉は母に早く死別し、継母にかかり、養子に出され、不遇な家庭の人となり、貧乏と戦いながらも、素直で、豊かな心を持つ正しい人であった。そこで、わい深い優れた作品がたくさん生まれたのだろう。」3したがって、南吉の童話を研究する時、生涯についての研究も不可欠である。 地方で教師を務め若くして亡くなった童話作家という共通点から宮沢賢治との比較で語られることも多い。賢治が独特の宗教観・宇宙観で人を客体化して時にシニカルな筆致で語るのに対し、南吉はあくまでも人から視た主観的・情緒的な視線で自分の周囲の生活の中から拾い上げた素朴なエピソードを脚色したり膨らませたわい深い作風で、日本の児童文学の研究者である石井桃子によって、「北の賢治、南の南吉」と呼ばれ好対照をなしている。その他、南吉は「童話の読者が子供であって文学青年ではない。そこで今日の童話は、物語性を取り戻す事に努力を払わねばならない。」4と主張していた。 南吉の童話から見ると、狐を主人公とする童話が非常に多い。本来、狐は人を騙して、ずるくて、賢いという存在であるが、南吉は狐をそのように描いていないのが特色である。そして、作品によって、狐の性格は違っている。もちろん、結論も違ってくる。しかし、狐と人間の間の付き合いという共通点が見られている。そのために、南吉の童話はただ童話だけだとは思われなかった。自分は狐の角度から人間のことを見て、ほかの人と付き合てみた。そこで、南吉は狐を通して、人間性についての理解を表すと言ってもいいであろう。 本論では南吉の作品における三つの狐――「ごん狐」、「手袋を買いに」、「狐」から、含まれている人間性について、研究してみるつもりである。2.作品のあらすじ 新美南吉の童話は構想がかなり巧みで、構成がしっかりしていて、内容が豊かである。簡単な童話であるが、いろいろな意が含まれている。創作時期によって分ければ、これらの三つの童話は全部中晩期の作品である。では、三つの狐の内容について、簡単に説明する。 日语论文新美南吉的《小狐狸阿权》《小狐狸买手套》《狐》(2):http://www.751com.cn/yingyu/lunwen_42251.html