また、オタク文化とACG産業との関係は深い。両者はお互いに推進し合い、発展してきた。相い前後して現れた漫画・アニメーション・ゲームという三つ領域を融合して、完全な産業チェーンになったACG産業は、オタク族とオタク文化の成長にとって最大の養分源である。台頭しているオタク文化もACG産業に強い消費力・新たな人材など有利な条件を提供するのである。同時に、不適な市場指導・不良内容の侵入など不利も生んだことは、ACG産業の足かせとなっているようである。
本研究はオタク文化とACG産業に限らず、日本の社会文化と社会経済の発展の理解にも意義を持っていると思われる。さらに、文化の中での実力の強化を目標として、今の中国も積極的にACG産業の発展に取り組む必要がある。この研究を通じて、中国に重要な参考となるのではないかと考える。
1.2先行研究
オタクという現象が現れてから、それについて数多くの研究がなされてきた。しかし、オタク文化と産業に関する研究が未だに不完全で、その関係についてより奥深く探求する必要があると思われる。
オタクに対する研究といえば、「オタクの教祖」と称される岡田斗司夫につて話さずにはいられない。彼は1996年から東京大学教養学部の講師を担当している間に、「オタク文化論」を講義し始めた。また、『オタク学入門』・『東大オタク学講座』・『国際おたく大学 1998年 最前線からの研究報告』などオタクに関する著作もいろいろある。特に『オタク学入門』は「オタクの教科書」といえ、詳しくオタクの起源と変遷などを紹介している。その本の中で、岡田斗司夫はオタク文化を創作作品の職人芸を楽しむ文化としてとらえていた。オタクとその文化を再定義する試みがたびたび行われてきたことによって、オタクという言葉の否定的な意は薄れ、肯定的に用いられるようになった。さらに、日本社会にオタク文化を全面的に理解させたのである。
ACG産業いわゆる「オタク市場」は日本の国民経済の中で重要な地位を占めている。日本のMedia Create(メディア・クリエイト)・野村総合研究所などといった会社や研究機関もオタク文化とACG産業に関する調査研究に取り組んでいる。2007年12月、Media Createはゲームビジネスで定評のある調査・分析力を駆使して、オタク産業の現状と展望をレポートして、『オタク産業白書』を創刊した。その中には、詳しくオタク文化とオタク市場の動向について紹介しており、ACG産業の現状と未来への展望について分析し、人々にACG産業の実態とコンテンツビジネスへの影響を理解させた。
一方、中国では、オタクブームに従って、次第にオタク文化及びそのACG産業に関する研究が展開された。
「中国知網」で「オタク」をキーワードとして検索した結果、検索記録は815条にものぼる。一方で、「オタク」と「ACG産業」の両方に関わる記録は僅か156条である。その中には、過去五年間に発表された論文が多くある。
2011年北京大学の李常慶は、『日本のアニメ産業とアニメ文化研究』において、日本のACG産業及びその文化の先行研究をシステム化してまとめ、日本のACG産業の発展現状及びその特徴などについて考察した。その後、同済大学の葉凱は、オタク文化は既に当代文化の一部になって、世の研究者に注目されているから、どのようにオタク文化を直面するか、どのようにオタク文化を経済力に転化するかなど問題が重要な課題になったと述べている。オタク族は高い消費力で新しい都市経済空間を創造し、ACG産業の推進していることが分かった。 关于日本御宅文化与ACG产业的关系(2):http://www.751com.cn/riyu/lunwen_49372.html