第一章 浄土の起源
1. 日本の仏教の由来
日本仏教は北伝仏教の一つである。北伝仏教、いわゆる大乗仏教 は、伝統的に、ユ-ラシア大陸の中央部から東部にかけて信仰されてきた仏教の分派のひとつである。日本書紀によれば欽明天皇の13年(西暦552年、上宮聖徳法王帝説によれば西暦538年)、百済の聖明王が使を遣わして仏典、仏像を献じ、日本の朝廷に始めて仏教が渡来(仏教の公伝)したとの記述がある。しかし、これ以前も、中国と日本、朝鮮とは民間交流が頻繁だったので、何らかの形で仏教との接触があった可能性が高い。552年ごろ南朝の梁国の人司馬達は大和国高市郡高市村坂田に住み、その家に仏像を安置して礼拝したという。しかし、あの時の人は仏像なんて全然知らなく、異域の神と認める。欽明天皇が、仏教を信仰の可否について群臣に問うた時、物部尾輿と中臣鎌子ら(神道勢力)は仏教に反対した。一方、蘇我稲目は、西の国々はみん仏教を信じている、日本はどうして信じてはいけないのかと言っている。その後、物部一族と蘇我一族の戦いで、物部一族が負けてしまった。この戦いでは厩戸皇子 が蘇我馬子側に参戦していた。厩戸皇子は四天王に願をかけて戦に勝てるように祈り、その通りになった事から摂津国に四天王寺を建立した。厩戸皇子は『法華経』・『維摩経』・『勝鬘経』の三つの経の解説書(『三経義疏』)を書き、『十七条憲法』の第二条に、「篤敬三寶 三寶者 佛 法 僧也」 と書くなど、仏教の導入に積極的な役割を果たした。すくに仏教は国教になった。政治闘争は仏教の導入と発展を促進した。
2.日本仏教の宗派
今日まで、日本の仏教には数多くの宗派が存在する。「十八宗」と呼ばれる三論宗・法相宗・華厳宗・律宗・倶舎宗・成実宗・天台宗・真言宗・融通念仏宗・浄土宗・臨済宗・曹洞宗・浄土真宗・日蓮宗・時宗・普化宗・黄檗宗・修験宗の一八の宗派がある。1940年の‘宗教団体法’公布以前には13宗56派が公認されていた。13宗とは華厳宗、法相宗、律宗、真言宗、天台宗、日蓮宗、浄土宗、浄土真宗、融通念仏宗、時宗、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗である。第二次大戦後は分派独立したものが多いが、伝統仏教の13宗の系譜はいずれも現代に引き継がれている。ここではいわゆる伝統仏教13宗の宗祖と本山を記載する。例えば一休さんは臨済宗の僧人であり、この臨済宗は歴史の古い禅宗宗派だ。
13宗以外の宗、或いは13宗から分離・独立した宗、そしで近年に成立した仏教系の新宗教、新興宗教は、色々ある。この中に、現代で一番強いのは間違いなく浄土真宗だ。
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