要旨日本語は性差が大きい特徴を持つ言語であると言われる。本論文では、中国国内の大学で使われている日本語教科書および、1995-2005年の日本語能力試験1級の聴解会話を中心に、取り上げられた女性語の一つ、終助詞を抽出し、その終助詞に潜んだ規範意識を検討することを目的とする。具体的には、女性語の使用状況、使用頻度、男女の比較、使用場面の視点から考察した。47308
その結果、まず、日本語能力試験1級の聴解会話に出現した女性語の使用は教科書より多かった。次に、フォーマルな場面より砕けた場面では多く使われていた。最後、話し言葉では、男女の差が小さくなっている傾向も見られた。
キーワード:女性語; 規範意識; 性差; 変化
摘要日语是男女用语区别较大的语言。本论文的目的是探讨日语中女性用语中的终助词中隐藏的女性规范意识。采用数据收集方法,从中国国内大学所使用的日语教材以及1995-2005年的日语能力一级考试听解对话中抽取女性用语的终助词,并对女性用语中的终助词的使用状况、使用频率、男女之间的比较和使用场面等四点,进行了考察。得到的结果首先是日语能力一级考试的对话中出现的女性用语的次数比教科书中多。其次,亲密的场面比正式场面中出现的次数多。最后,在对话当中男女之间的差异在逐渐变小。
毕业论文关键词:女性用语; 规范意思; 性别差异;变化
目 次
1. はじめに1
1.1日本語女性語の背景について1
2. 先行研究1
2.1日本における日本語女性語に関する先行研究1
2.2中国における日本語女性語に関する先行研究2
3. 日本語教科書における女性語(終助詞から)3
3.1女性語の使用状況3
3.2女性語の使用頻度4
3.3各場面での女性語の使用状況‥5
3.4日本語能力による女性語の使用状況‥6
4. 日本語能力試験の聴解会話における女性語(終助詞から)8
4.1女性語の使用頻度8
4.2男女差の比較‥9
4.3各場面女性語の使用状況‥10
4.4年代別女性語の使用状況‥11
5. 現代の女性語に潜む規範意識と使用傾向13
5.1話し言葉の男女差の縮小傾向13
5.2保守主義の変化と言葉の中性化15
6. 今後の課題 未来の女性語16
6.1死語になった女性語16
6.2中日翻訳の女性語の使用意識16
注釈17
参考文献19
謝 辞21
1.はじめに
日本語を習得するには、文法的言語能力だけではなく語用論的言語能力も習得しなければならない。男女による言葉使いの違いに対し、その使い分けができることは、現実の日本社会では、よりよい対人関係のための大切なソーシャル・スキルとも言える。そのため、日本語における女性語を分析し、女性語に潜んだ規範意識を把握することにより、日本語および日本文化に対する理解は一層深まると考えた。
そこで、本研究では、中国国内の日本語教科書および、日本語能力試験1級の聴解会話を中心に、取り上げられた女性語を抽出し、その女性語に潜む規範意識を検討することを目的とする。なお、本稿は日本語と中国語を対照しながら、その使用方法と対訳方法をも探究してみたい。それとともに、日本と日本社会の人間関係や談話規則などをより深く理解することにも役立てたいと考えている。