米川明彦によると、新語とは新しくその言語社会に現れた、または既存の物事や概念を新しく表現するために作られ、新しい意義を与えられ、その存在権を社会によって承認された語である。
小矢野哲夫は「一般的に、流行語はある期間、地域的にも年齢的にも広い範囲にわたって共感的に使用される。世相象徴的な表現である。」と定義する。
しかし、本文における研究対象は一般的な新語・流行語ではなく、2004年から2013年までの「新語・流行語大賞」の受賞語に絞るものである。
2. 「新語・流行語大賞」に関して
2.1大賞の概要
「新語・流行語大賞」は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するものである。1984年に創始され、毎年12月上旬に発表される。創始当初は、新語部門と流行語部門に分かれており、それぞれ金賞を筆頭として各賞が選ばれていたが、8回目の1991年(平成3年)からは年間大賞が設けられ、11回目の1994年(平成6年)からは両部門を合わせて選定されるようになった。
2004年(平成16年)より『ユーキャン新語・流行語大賞』に改称された。
2.2大賞の選出
『現代用語の基礎知識』の読者審査員のアンケートを参考に、新語・流行語大賞選考委員会(選考委員7名)によってトップテンと年間大賞が選定される。
いまの選考委員会は、姜尚中(作家・聖学院大学学長)、俵万智(歌人)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)、清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)で構成されている。