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     本論は日本社会の様々な猫の像を研究の対象として、日本独特な猫文化の特性を掘り、猫文化形成の背景、発展、文学作品とアニメ作品、日本の伝説と諺における猫の形象を分析し、そこに表れている日本文化をまとめる。そして、日本人の心の中の猫の象徴意義も分析する。伝統の猫形象と現代の猫形象に簡単に触れ、この比較を通じて、日本の猫文化の発展を分析する。
     第一章  日本の猫の歴史
    1.1猫の起源
    すべての文化の生まれはみな特定の歴史的背景と文化的根源がある。猫文化も同じである。
    まず、歴史的背景を分析しよう。
    言い伝えによれば、猫は、奈良の初期に、仏教の経典を鼠害から守るために、中国の唐朝に派遣された遣唐使によってもたれたそうである。それに、舶来品への崇拝という心理も存在していて、猫は最初宮廷だけで飼われた高貴なペットで、猫を飼うことができる人はすべて貴族であった。江戸時代になってから、猫は庶民の家に現れてきた。
    現在、猫はペットとして認識している人が多く、ネズミを捕まえるすごい力を持っていることはがだんだん忘れられている。周知のとおり、日本はもともと水稲に頼る国であり、猫を日本に引き入れる前に、大量の水稲はネズミに噛まれて、民衆は口に出して言えないほどの苦しみをわっていた。よって、日本人は猫に対して、特別なゆかりがあると思われる。
    1.2猫文化の形成と発展
    時代が進歩・発展するとともに、猫文化も変化をしてきた。例えば、初めの頃、農作物に大きな役割を果たした猫が日本人に好まれて、猫に関する特別な猫文化が形成された。時代によって猫に関する認識も変わってきて、その時代なりの猫文化がある。以下は、各時代における猫文化の大まかな発展である。
    1.2.1平安時代の猫文化
    猫の立場は平安時代の400年間において大きく揺れ動いた。日本社会に初めに出現したときは、奈良の時期である。当時、輸入品としての猫は宝物であった。また、平安時代に、猫が登場する文献が多くなった。例えば、清少納言の「枕草子」の中には、「猫はうへのかぎり黒くて、ことは皆白からん」という一節が見受けられる。その他、紫式部の「源氏物語」の中にも、猫が登場した。また、菅原孝標女により執筆された回想録「更級日記」の中には、「猫のいと長う鳴いたるを驚いて見れば、いみじうをかしげなる猫なり」という描写が見られる。平安時代末期の説話集「今昔物語」の中には、ネズミと猫に触れた。
    そして、室町時代において猫について一番有名な物語は豊臣秀吉と猫である 。彼は「猫を首輪につながないように」と言っていた。
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