オタク文化について-中日オタク文化現状の比較要旨本論はオタク文化について先行研究を調べ、まとめる。そして、オタク文化の起源についての文献を調べ、日本から中国への影響について述べられた資料を整理し、分析する。最後に、中日オタク文化やオタク市場を比較して、その違いを探し出す。47388
オタクはもともと日本で生まれた概念、言葉であるが、中国にも大きな影響を与えている。しかし、中国のオタク文化は日本当地と比べると、その年齢層や特徴、そしてオタクに対する態度において様々な違いがある。さらに、オタク文化の違いから生み出されたオタク市場の違いも明らかになっている。
キーワード:オタク文化; クール・ジャパン; オタクコンテンツ市場
目 次
1. はじめに 1
2. 「オタク」の起源 1
2.1 オタクの誕生と発見 1
2.2 幼女連続殺人事件の影響 2
2.3 オタクの定義 3
3. 日本から世界へ 4
3.1 クール・ジャパンと日本文化ブーム 4
3.2 中国に与える影響 4
4. 中日オタク文化の違い 5
4.1 中日オタクの年齢層の違い 5
4.2 中日オタクの特徴の違い 6
4.3 オタク文化に対する態度の違い 8
5. 中日オタク市場現状 9
5.1 オタク系専門店 9
5.2 オタクコンテンツ市場 9
6. まとめと展望 11
6.1 まとめ 11
6.2 中日オタク市場の展望 12
参考文献: 13
1. はじめに
近年、「萌え」、「コスプレ」、「メイド喫茶」などの「オタク文化」が、様々なマスコミで注目されている。しかし、マスコミで報道されている「オタク文化」は、オタクの特徴としての一部だけが誇張され、「オタクは社会の非主流派」と認識されている。この問題に対して、オタクは一体何者か、そして、日本からの影響で自らのオタク文化が生まれた中日の間にどんな違いがあるか。本論では中日オタク文化の比較を主に研究したい。
オタク文化について先行研究は、これまでオタクの定義、オタクの変遷、オタクツーリズムなどを見てきた。長田進・鈴木彩之(2009)によれば、オタク研究は4つに分類できるという。
オタクに関する認知がひろがるにつれて、オタクに関連した諸領域について研究が進められるようになった。これらの研究を分類してみると、オタクそのものの概念やその変遷を追った研究、消費者としてのオタクに焦点をあて、その行動パターンについての分析を行った研究、オタクが活動する特定の都市との関係について、その特徴を分析する研究、そして、オタクの概念から派生した「腐女子」の行動パターンについての研究、以上の4種類に分類できる。