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『津軽』、『お伽草紙』、『走れメロス』、『斜陽』と「人間失格』は太宰治の主な作品だ。その中に最も有名な作品は『人間失格』だ。『人間失格』も太宰の自伝だとも言われる。太宰治は大地主の家の751男として生まれ、家を継ぐ立場から完全に外れた。その故に、太宰は父の愛に恵まれずに成長する。更に、太宰の母は病弱で、二人のつながりが薄く、太宰は小さい頃から母の愛も不足だ。こんな太宰はきっと寂しかった。彼の心の空白を埋めたのが文学だった。実家の倉と書斎には、昔話から最新の小説に至るまで多種多様な本があふれていた。当時の太宰は芥川龍之介の著作に親しんだあと、芥川龍之介に憧れ、作家として文壇で活躍していた。しかし、太宰が十八歳の時、芥川龍之介は睡眠薬で自殺した。その故に、太宰が大きな衝撃を受けた。この直後から、太宰は花柳界に興を示し、服装に凝り始める。芸妓との心中事件も起こった。そして、実家に除籍されて、仕送りで生活を維持していました。二十代と三十代の太宰治は麻薬に手を出し、左翼運動から脱落し、四度にわたる心中未遂、自殺未遂を繰り返した挙句の死、愛人と私生児までもいた。『人間失格』は、太平洋戦争が爆発したあと、太宰は自分の罪を強く自覚するようになってから書いた作品だ。そして、昭和23年5月、『人間失格』全206枚、脱稿だ。一ヶ月後、太宰は愛人とともに玉川上水に身を投げる。6月19日、遺体が発見された。奇しくも、39歳の誕生日だった。実際に、数々の罪を犯したことを自覚し、自分を人間の失格者であると決めつけてしっまた主人公大庭葉蔵に、私は彼を本当の失格者であるとは断罪しない。『人間失格』の最後、葉蔵を知るバーのマダムはこう語る。｢私たちの知っている葉ちゃんはとても素直で、よく気が利いて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、神さまみたいないい子でした。｣[3]太宰本人もこう考えたのだろう。
2『人間失格』についての研究
『人間失格』は今なお多くの若者に読まれる不朽の名作だといえる。太宰治が死後発行されたこの作品は遺書のような作品であり、太宰の一生を描いた自伝であると考えられている。更に、『人間失格』は太宰治の最も有名な作品だとも言える。物語の主人公大庭葉蔵は何回の自殺未遂、薬物中毒などで、悲劇的な一生を過ごした。葉蔵は人間を分からず、他人のことを恐る。異様に変に見えないように、彼は道化を振舞う。こんな葉蔵は太宰治の自身の投影した人物だ。だから、太宰治の価値観を覗きたいなら、『人間失格』を研究しなければならない。
2.1 作品の内容
作家は真実の他人を作ることが必ずできるわけではない。作家はただ真実の自分を作れる。太宰治の自伝と認められている『人間失格』は、かつて彼自身が薬物依存で精神病院送りにされ、まさに「人間失格」を痛感した体験から生まれたものだ。『人間失格』の主人公大庭葉蔵は現実の太宰治とも言えるだろう。
この作品は「はしがき」と三つの「手記」と「あとがき」に「第一の手記」が、主人公・大庭葉蔵が、東北の田舎の金持ちの家に生まれ、生への不安やおそれをかくしながら成長し、成長する間に経験した人間に対する恐怖を語り、人間不信を示す｡葉蔵という人物を総論的にとりあげたとも言える。大庭葉蔵（太宰治）は幼い頃から人間が何を考えているのか分からなかった。道化を演じて、人と繋がろうとする。