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    1 はじめに

    1.1 研究の動機及び目的

    東野圭吾は日本推理小説の代表的な作家である。1980年代から日本の文壇で活躍し、1985年に『放課後』でデビューした以来、受賞した作品が数多くて、おまけに多数の作品が映画化・ドラマ化された。彼の作風は多彩で、作品は文学性、思想性及び娯楽性を兼ね、続々と読者に新鮮な読書体験をもたらす。したがって、彼は日本だけでなく、中国にも人気がある。

    東野圭吾の作品は中国大陸地域で販売し始めて以来、相当な販売量に達する。2007年南海出版社が出版した『レイクサイド』と『予知夢』の反響は中くらいが、2008年新経典出版社が送り出す『容疑者Xの献身』は売れ行きが良い。2009年12月まで、『白夜行』と『容疑者Xの献身』の販売量はすべて10万冊を超える。

    東野圭吾の売れ筋商品を考察すると、社会と綿密に繋がる作品が多いことが分かる。そういう小説は社会派推理小説と呼ぶ、日本独自なサブジャンルである。社会派推理小説とは、様々な社会現象を描く推理小説である。一般的に、社会性のある題材を扱い、作品世界のリアリティを重んじる。東野圭吾の社会派推理小説は「中心トリック」のほか、一番重視するのは我々の生活に遠く離れではない社会現象への綿密な描写である。したがって、推理小説の文学性を大きく高め、推理小説をただのインテリジェンスパズルから離れ、社会問題や人間性への探求にも深い注意を払うことになった。

    東野圭吾の社会派推理小説はそんなに人気があるので、彼の作品をより深く了解する気がすることになった。本文は彼の最も人気な作品『白夜行』と『容疑者Xの献身』を例にして、東野圭吾という人及び彼の社会派推理小説を簡単に紹介し、また作品の特色と現実意義を分析してみようということである。

    1.2 先行研究のまとめと新しい視点 源'自:751`!论~文'网www.751com.cn

    日本の推理小説は明治初期から起源して、様々なジャンルに分けていく。坂口安吾は『推理小説論』の中で「推理小説というものは推理をたのしむ小説で、芸術などと無縁である方がむしろ上質品だ。これは高級娯楽の一つで、パズルを解くゲームであり、作者と読者の智恵くらべでもあって、ほかに余念のないものだ。」と指摘した。1950年代末期に至ると、松本清張は推理小説に社会性を加えられることなどを主張し、社会派推理というサブジャンルを開いた。

    日本当代の人気小説家として、東野圭吾についての先行研究は少なくない。マクロの視点から東野圭吾の作品を分析するのは乏しくない。例えば、李昕は『推理小说为何能燃烧中国书市?——东野圭吾系列畅销探因』の中で「中国は推理小説が待っている」、「東野圭吾の天の時、地の利、人の和」から東野圭吾の作品の売れゆく原因を検討する 。また、一つの作品を中心に東野圭吾の作品の魅力を探す研究もたくさんある。例えば、黄麗瓊の『东野圭吾小说魅力探究——―以《嫌疑人X的献身》为中心』は『容疑者Xの献身』を例にして、創作手法、主題元素、人物像描きのほうから東野圭吾の小説の魅力を解読する。 金涛の『斑驳的留白——浅析《白夜行》的叙事方式及其对角色塑造的作用』は『白夜行』を中心に、叙述方法から東野圭吾の作品を分析する。 

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