したがって、『坊ちゃん』、『雪国』、『限りなく透明に近いブルー』、『ノルウェイの森』の四つの作品をえらんで、第二次世界大戦前後の小説の外来語の違いについて、そしてその比較から見る小説の外来語使用の変遷を研究したいと思う。
1.3本稿の目的と方法
外来語は日本社会に影響を与えたのか、また与えたとしたらどんな影響であったのか。時代背景は外来語に影響を与えるのか。また、時代背景が違う小説の外来語を比べればどんな特徴が発見されるのか。本稿はそれらの問題意識を持ち、先行研究を調べ、資料を整理し、分析する。また、コーパスを通じて外来語を分類し、分析する。
2.日本の外来語についての研究
2.1日本の外来語の歴史
日本の外来語は室町時代(1392~1573)末期、江戸時代(1600~1867)、第二世界大戦後の3つの時期に大きく変化した。