3.1芸術至上主義は何か 4
3.2『地獄変』の中に、芸術至上主義に関する表現 5
3.2.1人物により、芸術至上主義を表現すること 5
3.2.2宗教により、芸術至上主義を表現すること 6
4.芸術至上主義の実現を妨げる要因 8
4.1良秀の短所から 8
4.2倫理から 8
4.3現実生活から 9
5.おわりに 11
参考文献 12
1.はじめに
芥川龍之介というと、優れた作品がたくさんある作家である。彼に対して、最初一番印象深いのは彼の自殺事件である。だが彼の『地獄変』という作品を読んだ後で、彼、またその作品に関することに興を持つようになった。それで、この論文で研究するつもりである。
その小説のテーマについて、地主と奴隷との関係を理解した研究者がいる。例えば、趙笛生の『芥川龍之介<地獄変>人物分析』 の中で、封建王朝にある絵師が芸術のために、命を犠牲した悲劇を描いた。白晶も『<地獄変>から、芥川龍之介の人生観と芸術観』 を通して、同じような結論を出した。一方、芸術は何より重要だという芸術至上主義を提出した研究者も存在である。例えば、馬恵の『芥川龍之介の芸術至上主義を論じる_<地獄変>と中心する』 、及び『人生の破滅から芸術の法悦に至る_<地獄変>の芸術至上主義』 の中で、芸術至上主義に関することは、違った角度からちゃんと分析されたのである。その他、ヒューマニズムとエゴイズムとの矛盾を視野に取り入れて、論じ始めた研究者が、「個」を主張している良秀をもう一歩分析すると、良秀はエゴイストだと考えるようになった。小説中の人物の象徴意を探究したり、良秀は、芥川龍之介との繋ぎを探したりしたことで、小説の中に、主人公の結局は、作者の自殺を暗示した可能性があるという結論が得る。
ところで、以上の先行研究には、芸術至上主義や人物の象徴意に関することがあったけれども、小説に出た良秀にとって、娘、大公や彼自分が芸術至上主義の実現にどんな作用をしているか。全部は積極的に影響しているか。もしかして、芸術至上主義を妨げる要因となるかもしれないと思う。それで、その問題を持ちながら、もう一度『地獄変』を読み始めた。その作品を研究すれば、芥川龍論文之介の芸術観が詳しく分かるだけでなく、*751^文,论.文|网www.751com.cn芸術至上主義を実現するには、すべてのことが犠牲されたという行為も理解できるかもしれないと考える。
2.芥川龍之介や『地獄変』に関する紹介
2.1芥川龍之介や『地獄変』の背景について
芥川龍之介は大正時代(1892-1927)を代表する短編小説家であり、新思潮派の指導者であり、近代の文学「鬼才」でもある。彼の作品は題材が変化に富んでおり、様式も多種多様であるので、ずば抜けた創作技巧を存分に示してくれる。作品の中で、多くは古典から取材した王朝物で、作者の考えを歴史の中に託したものである。芥川龍之介は主として、王朝の説話『今昔物語』、『宇治拾遺』といったようなものに興深くて、また、そうした短い話を取り上げて、近代的心情で解釈し、新しいものが創造できた。そして、『今昔物語』や『宇治拾遺』などから取材された小説において、古人の心理を発見し、「当時の人々の泣き声と笑い声」を再現すると同時に、近代人の「複雑な心理」も加えられた。いわば、王朝の説話物語を材料にして、近代的な解釈で説明することで、彼自身を持っている主題を生かそうとしたものである。これこそ芥川の歴史小説の特色である。『地獄変』という小説を書いた同じ年1918年(大正7年)二月に、芥川龍之介は文と結婚した。しかし、1914年(大正3年)秋から翌年春まで吉田弥生と悲痛な恋愛事件は芥川に痛手を与えた。伯母は両人の恋愛に強烈に反対した。母親のような伯母と初恋との間に、芥川は苦しみながらも吉田を諦めなければならないのである。