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2.宮崎駿とその反戦思想
2.1 宮崎駿の生いとその作品
宮崎駿は家に二男として東京市に生まれた。一族が宮崎航空工学の役員を務めた。高校３年生の時見た東映動画製作『白蛇伝』に感動され、アニメに関心を持ち始めた。学習院大学を卒業し、アニメーターとして東映動画に定期採用で入社、入社後、動画などを手がける。独立動画を創作するのは1963年東映動画に入社した後だった。84年の作品『風の谷のナウシカ』は大成功で、宮崎駿はアニメ作家としてよく知られた。有名なスタジオジブリは1985年に設立だった。その後は『天空の城ラピュタ』をはじめ、『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』、『もののけ姫』など、子どもにも大人にも幅広い支持される名作を次々と発表し、日本アニメ界の「黒澤明」として取って代わらない地位を築くとともに、海外でも高い評価を得って、日本アニメの世界的な地位向上に大きく貢献する。
宮崎駿の作品から多様な作風が発現した。まず、宮崎駿は一貫して子供に向けて作品を作り続けて、「厳しい現実世界からの、子供の一時の逃げ場が必要だ」という趣旨の発言をしている 。そして、児童文学を愛読し、「アニメーションは基本的に子供の物」と公言し、その作品はほぼ一貫して子供の視点に立ち、悪役を大人にすることが多い。『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』のように主人公はみんな少年少女で、悪い大人と戦って勝利を収める。次に、「万物に霊気がある」という奇妙な発送から奇異で幻のような作品ができた。『となりのトトロ』のトトロ、ネコバス、『千と千尋の神隠し』の白龍、カオナシなど想像力が溢れている役柄がとても魅力的である。また多くの作品で戦争の残酷さを避けなく、平和の憧れがよく見られる。資料を調べて初めて知っているのは、宮崎駿は戦史・兵器マニアとして知られ、第二次世界大戦から前の甲冑・鎧兜や兵器（装甲戦闘車両、軍用機など）に十分な知識が有している。作品の中にも様々な武器や飛行機を愛用して、造詣の深さがよく表れた。その代表作は『宮崎駿の雑想ノート』 に違いない。第6話「九州上の重轟炸機」に中国の馬丁式轟炸機が初の日本空襲にしにいく。しかし、九州南部の空から投げたのは爆弾ではなく、日本軍の非人道行為を日本国民に訴えるビラだったのだ。宮崎駿は「中国の搭乗員達はどんな気持ちで日本の灯を見つめたのだろう」という想いを書いた。はっきり日本の戦争を発動行為を非難する。それに、現在はモデルグラフィックス誌に零式艦上戦闘機の開発者である堀越二郎の若き日を描く『風立ちぬ』を『モデルグラフィックス』2009年4月号より漫画版として連載しているほか、一式戦闘機「隼」の活躍と陸軍エース・パイロットの戦果を記録した、戦史家梅本弘（市村弘）の著作『第二次大戦の隼のエース』 の刊行に際して、アートボックス編集部に対し本書を読んだうえで賞賛・激励の文書を送っている。筆者は『風立ちぬ』から宮崎駿の反戦思想を分析しようと思う