これまで、日本の流行文化については、いくつかの先行研究がある。様々な資料を調べてみたところ、日本の流行文化と中国での日本語普及については、すでにある程度の研究が行われたことがわかる。例えば、南京大学の田雁(2011)は、中国で日本語の学習者が急速に増加していることを述べ、日本語学習ブームの展望を論じた。
寧波大学の黄鶯(2008)は、日本語学習動機付けを「個人的発展」「社会的責任」「言語的効能」「学習的環境」「情報媒介」「自我的効能」「文化への興」の7つに分け、非日本語専攻の学習者における動機付け調査を行なった。結果を見ると、文化への興の動機付けがより強く示されていたという。
そして、嶋津拓(2011:85)は、国際交流基金の「日本語普及」事業が、海外における日本語学習者数の増加という「外的要因」を受けて拡大されたと判断した。
日本は世界最大の漫画とアニメの輸出国である。若者の多くが『ワンピース』や『スラムダンク』で育ったと言っても過言ではない。日本の漫画とアニメは、全世界でナンバーワンの座を誇っている。
中国の一部の青少年には、地元の大衆文化に飽き、新しい要素を提供する日本の流行文化に论文网、興を移していく動きが見られる。中国人は、日本のテレビドラマや映画のスターたちの卓越した演技、高水準の撮影、きれいなアフレコ、プロフェッショナルな制作水準、美しい風景(東京タワー、富士山など)及び、聞き飽きることのない主題歌に強くひかれる。青少年は「ソウカ」や「サヨナラ」などの日常用語を自己の世間話によく使用するようになっている。
近年、日本のポピュラー音楽は人気を集め、中国の大学生に特に人気がある。国際レコード産業連盟の調査によると、2012年、日本の音楽は米国を超え、全世界における規模が最も大きな音楽市場になった。
1.2 研究方法
まず、先行研究を調べ、まとめる。次に、杭州師範大学、西安外国語大学、天津外国語大学`751~文[论]文'网www.751com.cn、大連外国語大学における日本語学科の学生を対象とし、日本語学科を志望した理由についてのアンケート調査を実施する。そして、日本の流行文化と中国における日本語普及についての文献を調べ、資料を整理し、分析する。最後に、日本のアニメ、漫画、テレビドラマ、映画、音楽に現れている流行性と中国人が日本語を学ぶ動機についての分析を通じて、日本の流行文化が日本語普及にどのような影響を与えたのかを探り出す。
1.3 本研究の立場
なぜ日本の流行文化が中国で広まっているか?なぜ中国人が日本の日常用語をよく耳にするのか?今回、筆者はこのような質問に基づき、杭州、西安、天津、大連の大学の日本語専攻の学習者の意識をアンケート調査した。そして、日本の流行文化が中国での日本語普及にどのような影響を与えているのかを明らかにすることは、中国語の海外普及のモデルケースとして、意義のある仕事であると思われる。本文はそれらの問題意識を持ち、日本の流行文化が日本語の海外普及にどのように役に立つかについて探究してみたい。
2.日本語専攻の学生に対する学習モチベーションについてのアンケート調査
2.1 調査概要
2.1.1 調査目的
日本の流行文化は、インターネットの普及に従い、中国の至る所で目に入るようになった。日本の日常用語は、各年齢層の中国人に広く伝わっている。そこで、本調査の目的は、日本語専攻の学生の学習モチベーションが日本の流行文化とどのように関係するのかを解明することにある。