1.3 本稿の目的と研究方法
なぜ日本人は温泉が大好きなのであろうか。なぜ日本の温泉文化は盛んになって広がっていったのであろうか。そして、日本の温泉文化は日本人にどのような影響を与えたのであろうか。本論文では、これらの問題について、日中両国の学者の研究を参考としながら、その形成原因论文网や日本人との関わりを追究し、日本人への影響を研究してみたい。
2.日本の温泉について
2.1温泉の分類
温泉は、地中から湯が湧き出す現象や湯となっている状態、またはその場所を示す用語である。その湯を用いた入浴施設も一般に温泉と呼ばれる。人工温泉と対比して「天然温泉」と呼ぶ場合もある。熱源で分類すると、火山の地下のマグマを熱源とする火山性温泉と、火山とは無関係の非火山性温泉に分けられる。含まれる成分により、さまざまな色、匂い、効能の温泉がある。そのために、温泉の泉質は違っている。温泉分類では、①単純泉、②食塩泉、③重曹泉、④炭酸泉、⑤硫酸塩泉、⑥鉄泉、⑦硫黄泉、⑧重炭酸土類泉、⑨明矾泉、⑩酸性泉、⑪放射能泉に分類されている。温泉の利用形式には内湯と外湯がある。内湯とは、温泉場で旅館などの内部に設けられた浴場である。外湯というものは内湯に対し外部に設けられた浴場である。
2.2温泉の歴史
温泉は古くから利用されており、古代の文献にもその歴史が記されている。文献としては『日本書紀』、『続日本紀』、『万葉集』、『拾遺集』などに禊の神事や天皇の温泉行幸などで使用されたとして玉造温泉、有馬温泉、道後温泉、白浜温泉、秋保温泉などの名が残されている。平安時代の『延喜式神名帳』には、温泉の神を祀る温泉神社等の社名が数社記載されている。