本論では、文献研究法を採用する。まず、インターネットで本論についての先行研究を調べてからまとめる。そして、宮崎駿のアニメーションにおける自然観と「千と千尋の神隠し」における環境保護についての内容を整理し、分析する。最後に、「反人間中心主義」や「環境汚染への批判」や「人間と自然の共生」などの視点から、検討を試みる。
本論の目的は「千と千尋の神隠し」に現れた宮崎駿の自然観を分析し、意深い環境保護問題を探究する。そして、このアニメーションから得た示唆に基づいて、現代社会の厳しい環境問題に対する解決策を考える。
2. 宮崎駿のアニメーションにおける自然観
2.1 宮崎駿の自然観
宮崎駿のアニメーションは彼の自然観を現出している。例えば、「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」では「反人間中心主義」と「照葉樹林文化論」が見られる。そして、「となりのトトロ」の中に「人間と自然の共生」がうかがわれる。本論で検討したい「千と千尋の神隠し」の中にも彼の「反人間中心主義」と「人間と自然の共生」などの自然観が浮上してくる。